介護報酬改定と最低賃金引き上げ

10月に介護報酬の改定が行われます。
弊社は地域密着型通所介護が該当するのと、市区町村の総合事業の方が該当します。
総合事業に関してはそれぞれの市区町村によって適用が様々なようですね。

さて、今回の報酬改定ですが、10月の消費税増税などに対応するものということが言われています。
問題はここの「など」の部分です。ご存知の方も多いと思いますが、10月から最低賃金も引き上げられます。

が、今回の報酬改定ではこの部分の負担の全てまではカバーされていないようです。
10月以前の東京都の最低時給は985円です。現在まで弊社ではこの数値を元に無資格未経験者のパート職員のスタート時給を1000円に設定していましたが改定後の東京都の最低時給は1013円となります。今までの設定では違反することになってしまいますので、募集要項を変更して無資格未経験者のスタート時給を1030円に設定し直しました。

最低時給の上がり幅28円に対して30円の上げ幅で対応したわけですが既存の職員の給与も無視するわけには行きません。スキルや所持資格で給与の違いがありますので、全ての職員というわけには行きませんが、給与の増額を行なってバランスを取る形になります。

この改定でかかった人件費増の総額の数値は、今回の介護報酬改定で見込まれる収入金額を大きく上回ります。もちろんそれに加えて運営経費に対する消費税増税分も加わるわけです。

大丈夫なのかって?
大丈夫なわけありません(苦笑 
最低賃金の引き上げは以前から言われていましたし増税も決まっていたことですので、運営効率の見直しや空き枠を使った収益増など対策は進めていましたが、それで何とかなるか、ならないか、というのが本音です。

今回はギリギリだったとしても、また来年、再来年に最低賃金の見直しは行われます。
勘違いして頂きたくないのは、弊社としては基本的には職員の収入が増加するのは大歓迎です。ですが、ない袖は振れないのも事実なわけです。当然ですが、毎月赤字計上して給与を払い続けても収入見込みがないなら破綻するしかありません。

弊社設立の平成23年の東京都の837円でした。
今度の10月の改定額と比べて176円の違いとなっています。時給換算でこの違いですから職員人数と総労働時間に換算すると弊社レベルでも実際の人件費の差額は数十万円の差となっています。


全国最低賃金ランキングより

が介護報酬に関しては実質的には減額の方向で推移しています。グラフのマジックで一見すると大きな変化がないように見られますが、例えばサービス内容の区切りの変更で低額に移行せざる得ないケースも多々あり、感触的には20%程度は減額されていると感じる事業者は多いと思います。

三井住友銀行 介護業界の動向 より

減額されている上にこの人件費の推移です。
このまま続けば、まず最初に見えてくるのが人員の削減となります。規定の要件人数を下回らないギリギリ人数まで削減することになります。また人件費以外の経費の見直しはさらに進みます(現状でもかなりの節約や節制をしている事業者ばかりです)、では次はどの部分を下げるのか?となればこれは福利厚生や人材教育関係しか無くなります。

人員が減った上に教育もされない事態は何をもたらすでしょうか?

業界の未来に不安がよぎります。

 

 

 

 

柔道整復師(厚生労働省認定国家資格) 
機能訓練指導員・生活相談員
施設運営コンサルタント
日本通所ケア研究会認定 リハビリケア専門士 
シナプソロジー認定コーポレートインストラクター
株式会社ココラッセ 代表取締役 渡邉賢司

一号店のデイサービス ここらっせを2011年に開設。高齢者向けの運動・脳トレの各種講習会を開催。
新たなサービスやアクティビティの情報収集を常に欠かさず、時に日本全国の施設や企業へ視察を行い、
施設内で提供できるサービスの新鮮化に取り組んでいる。また、残業の発生しない効率的な業務改善や
助成金や補助金を導入した画期的な施設運営の実施。中でも中小企業庁の経営革新計画の認定を受ける他、オリジナル
マスコットキャラクターを導入するなど従来の一風変わった広報戦略について業界紙や一般紙からの取材も受ける。
他法人の都内事業所はもとより九州や東北地方などからも事業所の運営についてアドバイスを求められるている。